離乳食時期の歯のお話し
「月齢が〇ヶ月になったから、離乳食をそろそろ始めないといけないの??」
「歯がない赤ちゃんの歯みがきはいつからはじめたらいいの??」
「離乳食を始めたけど、なかなか食べないのはどうすればいいの??」と不安いっぱいな時期だとは思いますが、
お口の成長にあわせて、赤ちゃんのペースで進めていければ難しくありません。
豊能町では離乳食初期に関する資料は、3.4ヵ月健診時に配布いたします。
離乳食のポイント動画はこちら⇓
https://www.town.toyono.osaka.jp/page/page005844.html
資料はこちら↓
離乳食と歯の教室はじめての歯みがき
生後3~9ヶ月くらいで下の前歯が生えてきます
この時期のよだれは、1日に1.5ℓも出てくるといわれています。この時期よだれが増えるのは、離乳食を摂取するための準備として歯が生え始めるサインです。ただ、まだ口を閉じて唾液を飲み込む機能が発達していないためよだれを垂らしてしまいます。このよだれ=唾液は天然のマウスウォッシュで殺菌効果があり、下の前歯についた乳や離乳食のカスは、この唾液で洗い流されます。
お口のケア
歯の生えていない時期から少しずつ始めておきましょう。お母さんやお父さんの指で、お口の周り・唇・ほっぺを触るところから慣らしていきましょう。特に上唇を触られるのを嫌がる赤ちゃんが多いです。少しずつでかまいませんから、慣れてきたらガーゼで口の中を優しくきれいにしてあげましょう。ガーゼで、お口の中をきれいにするのを繰り返すことで、赤ちゃんは、お口に触れられる事に段々と慣れていき、歯みがきをすることにも、スムーズに慣れる事ができます。お口を触るときには必ず指を清潔な状態にしてくださいね。
離乳食が始まったら・・・
(1)うがいの代わりに、食後に湯冷まし(水を5分以上沸騰させ30~40度に冷ます)を与えましょう。
(2)小さく切ったガーゼを、水かぬるま湯で濡らして、人差し指に巻き付けて歯を優しくつまむように裏表を拭いてあげましょう。頬や舌も軽く拭ってあげてください。
実は授乳期から赤ちゃんは口を鍛えています
口腔機能のトレーニングは授乳期から始まっています。いい噛み方・飲み方をするには、「唇を閉じること」と「舌を上顎に吸い付ける力」が必要です。この「舌を上顎に吸い付ける力」は、授乳の時に鍛えられます。口先だけで吸う浅飲みではなく、顎の筋肉・歯ぐき・舌・頬を使って、乳輪まで全部ふくんで吸う深飲みがトレーニングの第一歩になります。哺乳瓶もできるだけ母乳に近いものを選んで欲しいと思います。
噛む能力を育む離乳
脳や頭蓋骨は6歳でほぼ成長を終えます。生涯の口腔機能は3歳までが大事!!その食べ方が、口呼吸や歯並びやむし歯にも影響してきます。正しい食べさせ方でお口のトレーニングをしましょう。大人の「食べさせ方」によって、子どもの「食べ方」が違ってきます。
離乳食が始まると、親がスプーンを口の中にまで入れて食べさせる光景を目にします。
これでは口腔機能のトレーニングにはなりません。赤ちゃんの成長時期に合わせましょう。
さあ~離乳食の始まりです急いで硬いものに移ると丸飲みの原因になります
時期 |
食べ物の形態 |
開始期 |
ペースト状 |
初期 |
ペースト状 |
中期 |
舌でつぶせる硬さ |
後期 |
噛み切れて歯ぐきで押しつぶせる硬さ |
離乳食開始期
唇を閉じて飲み込む事が出来ない時期…顎の動きが大事!!上唇は動かず、舌の動きも前後的な動きです。顎が閉じたり開いたりするのに合わせて、下唇がパクパクと動きます。
赤ちゃんが口を開けようとしないときは、スプーンの先端でやさしく下唇をつついて、口を開けるよう促しましょう。赤ちゃんの下唇の中心にスプーンのボウル部をのせると、赤ちゃんがスプーンをくわえてきます。赤ちゃんが口を閉じたら、スプーンを抜きましょう。口を閉じない時は、優しく下顎を押上げてあげましょう。口角が横に広がり、下唇をクルッと中に巻き込む時が飲み込んだ合図です
離乳食初期(口唇食べ期):ゴックン期
上唇で食べ物を取り込み、上唇を閉じて飲み込む時期・・・唇の動きが大事!!
スプーンから食べ物を上唇で取り込み下唇を閉じて喉へ送り息を止めて飲み込む事を覚えます。スプーンを口の手前に差し出すと、上唇が閉じてスプーンの上の食べ物をとらえるようになってきます。「上唇で食べ物をとらえる」という感覚は、口腔機能を育む為に重要です。スプーンを差し出した時に、子どもが自分から口を持ってきて、上唇が降りてくるまで待つことが大切です(待たずにスプーンを口の中に入れるのはやめましょう)
離乳食中期(舌食べ期):モグモグ期
下の前歯(乳前歯)が生えはじめ、唇に加え舌を使う時期・・・・舌の動きが大事!!
この前歯は、唇と舌の働きを分ける存在となり、口を閉じた時に舌が前方へ突出するのを止め、舌が食べものを喉の方へ送る動きを助けます。口腔機能を育む為に重要なので、引き続き子どもが自分から口を持ってきて、上唇が降りてくるまでスプーンは口の中に入れない様にしましょう。
無歯期後半の8カ月~10カ月頃には、舌で上あごに押しつぶせる硬さの食べ物を与え、上あごの前方を刺激させます。
鼻から前頭部を発育させます。
「上顎の骨」というのは、口の骨であると同時に、空気の通り道である「鼻腔」を形作っている骨で、6歳でほぼ成長を終えます。この時期に上顎を刺激する事で、上顎が左右に広がり、鼻腔が広がり鼻呼吸に繋がります。鼻呼吸することで、脳が冷却されます。
姿勢
安定感のある授乳の姿勢で
離乳食を始める時、初めは授乳の姿勢から始めると、赤ちゃんも安心します。仕上げ磨きへ繋げるため、初めはこの姿勢でガーゼから慣らしていきましょう。
ママの太ももに頭をのせて
慣れてきたら授乳の姿勢から、ママの太ももに子どもの頭をのせ、覗き込むことにも慣らしていきましょう。
ガーゼから歯ブラシへ
上の歯が生えてきたら、ガーゼから歯ブラシで磨く様にしましょう。奥歯が生えてきた時に、上から覗き込むと奥歯までよく見え、しっかり磨けます。
姿勢はとても大事です。首はしっかり固定してあげてくださいね
赤ちゃんにとって、離乳食の食べさせ方も、お口の成長にとっても重要になります。唇の力・舌の力が、口呼吸・歯列不正・虫歯にも影響していきます。また、赤ちゃんは口の中になんでも入れて、物の大きさ・硬さ・温度・味・臭いなど色々覚えていきます。これは、食べるための準備にもなりますし、噛むことは脳の発育にも関わってきますので、赤ちゃんがお口に入れてもよい、清潔で危なくない物を置いてあげましょう。(おもちゃの中に歯がためも入れてあげてくださいね)
ストローマグやスパウトマグの常用は避けましょう