令和元年度トヨノノドリーム。8/4(日)、12組が公開プレゼンテーションで熱くその夢を語っていただきました。審査結果をここに発表します!
審査会では採用にあたっての条件やアドバイスも検討。さらに!みなさんの熱い思いに応えるべく、残念ながら採用外となった提案についても提案者へのコメントやアドバイスもいただきました。
いよいよスタートする8つのプロジェクト。町ではその実現に向けてしっかりと応援してまいります。
みなさんもぜひ応援してください。
審査員総評
■寺浦 薫氏(甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授)
ご発表された方々、本当にお疲れ様でした。豊能町には3年前から関わっていますが、元気でエネルギーがあって、個性的な方も多くいらっしゃって、素敵な方が沢山いる町だなと感じています。皆さんのプロジェクトがどんどん実現されていくと良いなと思います。ただ、事業予算には限りがあって、全部を採択する事は出来ず、審査はとっても難しいものになりました。
全国共通で地方が難しい状況になっている今、皆さんのドリームに向けた頑張りが、豊能町モデルとなって全国に発信されていけば良いなと思いますし、そのために、私もお手伝いできたらと思っています。素敵なプレゼンテーションを本当にありがとうございました。
■甲賀 雅章氏(大阪府立江之子島文化芸術創造センター館長)
豊能町は全国的に見ても、本当に珍しい取り組みをされている町だと思います。
私は、昨年度のトヨノノドリーム公開プレゼンテーションの審査に立ち会ってから、まるで豊能町の宣伝マンのように、様々な所に行っては、豊能町のような取り組みが出来ないかとPRしています。
凄く面白い取り組みである一方で、積み重ねていくと、提案内容の公共性とビジネス性のバランスとか、初動期支援後の継続、発展性とか、次の課題が顕在化されてきたような気がしました。
もう少し、皆さんのドリームの最終的な社会成果は何なのかを明確にし、中長期的な視点で組み立ててみることが鍵ではないでしょうか。
皆さんのプレゼンを聞いて僕自身ワクワクし、凄くハッピーになれました、本当にありがとうございました。
■忽那 裕樹氏(大阪府立江之子島文化芸術創造センタープラットフォーム部門チーフディレクター/E-DESIGN代表)
今年もまた、豊能町の奥深い魅力に触れることができました。
これだけ多岐に渡る分野の豊かな提案が聞ける機会は、トヨノノドリームの他にありません。
トヨノノドリーム事業の2年目という事でどのくらい応募があるのか少し不安があったものの、余計な心配に過ぎず、今年も多世代から沢山の応募をして頂きました。豊能町に移住してきたばかりの方や豊能町外からチャレンジに来た方、町のために立ち上がる主婦の方など立場も様々ですが、応募された提案内容はどれも、「まち全体がどうやったら幸せになるか」、「まちのために自分に何ができるか」それぞれの視点からまちに向き合っており、まちを支える『パブリック』とは何か、改めてその根源を突き付けられ、初心に戻らされる提案ばかりでした。
特に公開プレゼンテーションでは、直に、その熱い想いや真摯な気持ちに触れ、このまちの計り知れない可能性を感じると共に、自身の審査員長としての立場の重さに、大きな責任を感じました。
審査は本当に難しいものとなり、残念ながら予算の関係上、どうしても採用する事の出来ない提案もありました。採択された方も、残念ながら採択されなかった方も、豊能町にとってかけがえのない人材であり、各々が豊能町の魅力そのものであることに間違いありません。
その中で採択させて頂いた8件は、自分達で実施していくという、ひたむきな姿勢が感じられたものだったと思います。自分たち自身の手で夢に挑戦するということを前提に夢の実現に向けた課題が検討され、その上で、自分たちでクリアできることと支援が必要なことが整理されていました。また、当事業は豊能町のシティプロモーション事業の4年目として実施されている事業であり、町外への発信力や町へのノウハウの蓄積など、長期的視点において次の展開に繋がる期待が持てることも、審査会の中で重要視されました。採択にあたっては、町の財源を使用するという点で、審査会の中で必要と判断された部分のみ支援させて頂くなど厳しい条件も設定させて頂きました。採択された方には町事業として一定の責務を果たして頂く必要があることを心得て頂きたいと思います。
これから、実現に向けた道のりは、想像以上に大変なこともあると思いますが、一歩ずつ夢に向かって歩んで頂きたいと思います。頑張ってください。
採択されなかった方もトヨノノドリームの公開プレゼンテーションに出て頂いたことが、皆さんの夢に繋がるきっかけになればと考えています。豊能町には様々な事業での連携の可能性を探って頂き、尽力して頂きたいと思います。我々も皆さんの夢の実現に向けて少しでも力になれればと思っています。応援しています。
まちを元気にするトヨノノドリーム事業は、行政主体では解決できない複雑に絡み合う複合的課題の解決を目指しています。いま求められていることは、行政主導でまちづくりを進めていくことではなく、地域が主体となり町民が活躍できる機会を自分たちで作っていくこと、そして、それを互いに応援していくことです。
この豊能町の大きなチャレンジは、「行政の仕組みをどのように変える事が出来るのか」という課題に対し全国が取り組む、地方創生の先駆けとなるでしょう。
皆さんには、支援する行政側が動きやすい状況を設定してあげるくらいの余裕をもって関わって頂けたら嬉しいと思っていますし、豊能町はそうなっていく可能性があると感じています。
皆さんのドリーム実現を心から応援するとともに、今後の活動の中で、また皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
採用提案 (採用枠・発表順)
(※今回、採択にあたり条件が付されたものについて、調整により実現が困難となった場合は支援の対象から外れる場合があります)
採用枠 |
発表 番号 |
提案概要 | 支援上限額 (税込) | 採用に関する審査会のコメント・附帯条件等 | |
自由提案 | 4 | UKON AGRI PARK とよの右近アグリパーク | 高山の資源を活かした農業体験や棚田キャンプ、アスレチックができる等の「とよの右近アグリパーク」の創設 | 20万円 |
・2年目の展開であることから、自走できる具体案を提案、実施していく必要があると考えます ・協議会づくりを通じた窓口の一本化整理、関係者合意形成の支援を想定しています ・実施費用の支援については各団体の情報を集約したHP制作費を中心とし、その他、イベント実施費用などを想定しています。協議会の中で事務局と共に検討してください |
自由提案 | 5 | ワクワクなことが何かある牧 牧里プロジェクトのない日も行きたくなる牧をめざして |
花植えやBBQ大会などのイベントの実施で‟牧里プロジェクト”を側面から応援 | 2万円 |
・プレゼンテーションを通じて取組への熱い想いや姿勢、そして牧の魅力が十分に伝わった内容でしたが、やりたいことを順序立てて、今回の支援で何を求めているか、整理が必要と思われます ・継続性が担保されるような花の種類に関するアドバイスを1回実施しますので事務局と検討してください ・実施費用の支援についてはアドバイス支援を踏まえ選定した花の種等を対象とします |
自由提案 | 6 | トヨノでエーガな ~地域が生み出す自分たちの映画づくり~ |
地域住民が参加する映画づくりワークショップを開催。地域住民が主体となって自立的なプロジェクトを進めることで豊能町の記憶のアーカイブ化を行う | 46万5千円 |
・豊能町外へのプロモーションに繋がる可能性を高く評価します ・映画づくりのノウハウが豊能町民に蓄積されるよう、コーディネーター育成の際に呼び掛ける対象者の選定が重要であり、事業が単年度で終了しないよう注意が必要です ・外向けのプロモーションに繋がる作品制作を心掛けてください ・実施費用の支援については内容等事務局と調整してください |
自由提案 | 9 | 魅力的な人材・地域資源が詰まったトヨノバンクの設立! | 地域の人材、仕事、物件、遊休不動産を見える化したwebプラットフォームを整備することで、地域活性化の‟トヨノモデル”を創出 | 20万円 |
・スペースをシェアする事業展開から発展し、人・こと・もの・情報を共有するプラットフォームづくりの仕組みを高く評価しますが、自走できる部分は自律的にすすめていっていただきたいと思います ・様々な法規制に抵触する恐れがあり、緻密にクリアしていく事が求められます ・町事業との重複の整理や調整の支援を想定しています ・実施費用の支援はアドバイザー謝礼及びプロモーション費を対象としますが、プロモーションについては事業だけでなく豊能町もプロモーションするようにしてください |
マルシェ | 10 | 豊能の有名人、名品の発掘イベントを兼ねた継続的なトヨノノマルシェの開催 | 各地域でマルシェを継続的に実施。手作りマルシェだけでなく豊能町を見直してもらう様々なイベントを企画 | 0円 |
【マルシェ枠として採用します】 ・既に色々なマルシェに参加している点や個性豊かなメンバーがいる点で実現に対するリアリティが感じられましたが、応募内容に従った自由提案枠での採択とはなりませんでした ・マルシェ実施のコーディネートや事務の担当者不在について調整していく事が求められます ・継続的なマルシェ開催に関するベースづくりを最優先とした支援を想定しています ・実施費用の支援は0円となりますが、物品等については、事務局と調整の上、基本的には継続的開催に繋がる物に対して支援を行うことを想定しています |
女性活躍 | 2 | ~健康・環境・介護・災害・節水に対応した~次世代型はみがき粉で豊能をしあわせにするプロジェクト | 自ら考案した「次世代型はみがき粉」を製品化し、地域に頒布、販売 | 0円 |
【女性活躍枠として採用します】 ・事業に対する積極性や行動力は高く評価されましたが、応募内容に従った自由提案枠での採択とはなりませんでした ・実施費用の支援等はありませんが、商品化に向け、初歩的なアドバイス支援を想定しています。客観的視点を取り入れながら、ブラッシュアップして頂きたいと思います |
女性活躍 | 11 | ~豊能町すべてのこどもたちにプログラミングを~ とよのプログラミングハウス | 子どもたちが主体性をもって、いきいきとプログラミングにとりくめる居場所づくり | 26万5800円 |
・学童保育など子どもを見守る制度だけでなく、地域で子どもを教育し、多世代と交流する場づくりは全国的に求められており、パイロット事業となる可能性があると考えられます ・継続的実施のためには、今年度3回程度の実験的開催が必要と考えられるので事務局と調整してください。ただし、無料開催に限ります ・事務局とともに事業の初期段階より教育委員会と連携を図りながら、企画、実施してください ・町は施策として、継続実施を支援できる可能性を検討してはいかがでしょうか |
女性活躍 | 12 | とよのわたし研究室 ~わたしらしく生きる人達がいっぱいの町を目指して~ | 「自分らしさ診断」を各イベントで実施。一歩踏み出して、本当にやりたいことを見つけるきっかけづくりや、安心できる場を提供していく | 33万円 |
・豊能町に対する熱い想いや取り組む姿勢について高く評価できるとともに、女性が町の中で活躍していく期待を感じる事ができました ・お互いを応援しあうことのできる個々のプロジェクトを作ることも必要と考えられます ・団体として活動し始める際の伴走支援を想定しています |
採用外となった提案についての審査会コメント・アドバイス等(発表順)
提案枠 |
発表 番号 |
提案概要 | 審査会のコメント・アドバイス等 | ||
自由提案 | 1 | 自慢できるまち トヨノノギネス制度をつくる!(ついでにみんなでホンモノギネス記録も取っちゃう) | 豊能町民の強みが集結する、イノベーションを起こすプラットフォーム~トヨノノギネス制度~を立ち上げ。さらに、本物のギネス記録にチャレンジするイベントを開催 |
・豊能町独自の自慢を集めたプラットフォームづくりを行うのであれば、「ギネス」という言葉を用いず、豊能町らしいキャッチ―な言葉を見つけていただきたいと思います ・小さな自慢を共有するプラットフォームづくりは是非応援したいが、大勢で集まって1つの目標に挑戦するという「ホンモノギネス挑戦」、小さな自慢を共有するプラットフォームとはベクトルが異なっているため、ストーリーづくりを考えてはいかがでしょうか |
|
自由提案 | 3 | 坂の町プロジェクト | 「坂を楽しく、坂で楽しく。」を全体コンセプトとし、名もない坂に名前をつけ、坂名の標識やメッセージボードを設置。また、坂道を使ったイベント等を実施する |
・看板制作費等は実施費用の支援対象外であり、支援を行う事は厳しかったのですが、豊能町のマイナス面を逆手に取った、素晴らしい提案であったと思います ・メッセージボードの設置から事業を進めるのではなく、坂道を使った「こと」づくりから始めて頂くことで、坂道の愛称が生まれ、コミュニティで共有されていくことからはじめてはいかがでしょうか |
|
自由提案 | 7 | とよの忍者手裏剣チャレンジ | 遊休地を活用した忍者アトラクションの実施 | ・ビジネスモデルのフレームとしては高く評価しますが、トヨノノドリームでは具体的なコンテンツを応援していきたいと考えています。「忍者」以外でも汎用可とのコメントもありましたが、そのコンテンツでなければならない理由を決めてブラッシュアップして頂きたいと思います | |
自由提案 | 8 | 日本初!ふるさと全額寄付SONGを製作 | 豊能町の世界観を感じられるオリジナルソングを製作。配信の売り上げを一定期間豊能町に寄付する |
・豊能町のBGMを決定するために、多くの人を巻き込んだプロセスの検討が必要であると考えられます
|