高代寺は町内の屈指の古刹である。境内には数多くの石造物があり、本町最古の五輪塔もここにある。この最古の五輪塔のある場所から少し道を下ったところに六地蔵がある。これらは、道の脇に並べるように各々独立して設置されているが、ここが古墓への入り口であったものと推察される。

　六地蔵は、いずれも舟形光背を持ち蓮華座に立つ立像である。像高は約50cm、最大幅約30cm、地元産の花崗岩によって造られている。

　写真の資料は、最初（一番目）に置かれている石仏で、宝幢をもつことから法印地蔵と考えられる。表面には蓮華座を大きく刻み、上に60cmの舟形を彫り出し、そこに地蔵立像を肉厚にて彫り出す。顔の表情は微笑んでいられるようにみえる。両手で持つのは宝幢の柄であろう。宝幢も細かいところまで表現されている。

　刻銘はないが、造作技術が洗練されていることから、江戸時代のものであると推測される。

　六地蔵の「六」は六道輪廻の六を表すものとされており、墓地の入り口に六体の地蔵が建立される例は多い。

画像の二次利用を希望される場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

但し、営利目的としない教育利用については、許諾の必要なく授業などでお使いいただくことができます。

〒563-0104　大阪府豊能郡豊能町光風台5-1-2

豊能町立図書館